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2009年7月12日日曜日

明るみに出た、ブ大統領の陰謀


 ブッシュ政権が9−11のどさくさにかこつけて、テロ防止の名目で大々的な国内での諜報活動を実施していたことが明るみに出て問題になっている。
 憲法違反の国内諜報が行われていたことはすでに2005年にメディアのスクープでばれていたが、以前に知られていた以上の規模で諜報活動は行われていた。これまでは、その非は、活動の合法性に太鼓判を押した法務省やホワイトハウスのタカ派の法律顧問にある、とされていた。同活動が法的根拠とした特別法が失効する直前、当時大統領の法律顧問だったアルバート・ゴンザレスがその延長承認のサインをもらうために、入院中で手術直後のアッシュクロフト法務長官の病室に押しかけ、麻酔もしっかり覚めやらぬアッシュクロフトにサインを迫ったものの拒否されていたことは明るみに出ていたからだ。が、今回公開された文書から、実はその背後では、ブッシュ大統領自身がアッシュクロフトに電話をかけ、承認を迫っていたことが明らかになったのだ。
 これまで、ブッシュ政権の陰謀といえば、ダースベーダーのチェイニーが悪玉で、ブッシュ政権は傀儡政権に過ぎない、という見方も少なくなかったが、ことあるごとにアホのふりをしてとぼけてすませていたブッシュ大統領自身も実際にはしっかり陰謀の一端を担っていたわけだ。
 またこれとは別に、チェイニー副大統領の指示で、CIAが議会に報告せずに、さらにはオバマ政権下で新に就任したペネッタCIA長官にも知らせず、つい先月まで極秘のプログラムに従事しており、それを知ったペネッタ長官が即刻同プログラムを中止させ、議会に報告したことも明らかになり、問題になっている。
 ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件の「大統領の陰謀」のなかみは、実は民主党の選挙活動の実態を探ろうと諜報活動に過ぎなかったことを考えれば、ブッシュ・チェイニーの陰謀は比較にならない大犯罪だ。
 もちろんリベラル派は責任追及の捜査を開始するようオバマ政権に迫っているが、オバマ大統領としては、この問題で共和党との対立が激化したら、念願の健康保険改革に関する法制化もストップすることは目にみえているから、ひとまずは、ことを荒立てたくない構えであることは同情の余地がある。
 だが、ブッシュ大統領自身が憲法違反の諜報活動をごり押ししていた証拠が公表されても、メジャーのメディアでは報道すらされていないのはどういうわけなのか、理解しがたい。
 アメリカのメディアは、あいかわらずマイケル・ジャクソン報道に明け暮れていて、それどころではない。かつては社会の番犬を辞任していたメディアは、完全に金権アメリカに飼い慣らされお座敷犬に堕落し、報道=娯楽。
 情けない。
 
 
 

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