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2010年5月22日土曜日

アメリカ合衆国の崩壊




 アリゾナ州がカリフォルニア州への水道水と電気の供給をストップすると脅しをかけている、というニュースに、アメリカはますます面白くなってきた、と思う。
 ことの発端は、アリゾナ州が、移民法を強化したことだ。
 国境を接するメキシコからの不法移民の流入を毛嫌いするアリゾナ州では、以前から、武装の自警団が、獲物を待つハンターさながらに国境沿いで餌食を待ちかまえたりしていたのだが、先月になって、州法を改変して、警察の権限を強化。まちなかを歩いている人でも警察官が怪しげだと思っただけで所持品捜索したりできるようにしたのだ。
 日本の常識からすると、え?それって当然じゃん、と思う人も多いかも知れないが、
プライバシー保護や人権、人種差別問題への意識が強いアメリカでは、要はメキシコ系=怪しい=犯罪者扱いは問題視されることになる。
 かくしてメキシコ系移民が多いカリフォルニア州やリベラル派の多い都市が、アリゾナ州の企業のイベント受け入れ拒否などを始めた。それに怒ったアリゾナ州が水道水と電気を売るのを辞めると言い出したのだ。
 合衆国制度で、州ごとに法律が異なるアメリカでは、近年、こうした州どうしのトラブルも増えている。
 数か月前には、ワシントン州がアーカンソー州拒否を宣言した。シアトルで警察官数人を狙い撃ちで殺した犯人が、実は以前にアーカンソー州で州知事の恩赦で刑期を終えずに放免された人物だったことが分かったことがきっかけだった。
 アメリカでは実は、合衆国制度を良しとせず、特にテキサス州など南部では、州の独立を望む層も少なくない。だから、新たな政策が打ち出されようとするたびに、
連邦政府の権限の強化だと恐れ、息巻く。
 広すぎるアメリカ。いっそのことソ連にならって、分裂したほうが世界のためになるような気もする。