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2009年7月5日日曜日

カナダで祝ったアメリカの独立記念日



 私はつくづくヘソ曲がりに生まれついているらしく、アメリカにいたときには無視してきた7月4日のアメリカ独立記念日を、今年はカナダでカナダに住んでいるアメリカ人の連中と祝った。
 祝ったといってもアメリカ人流に、集まって屋外でバーベキューを食べながら、おしゃべりの興じるというだけだ。
 バーベキュー・パーティというと、日本だったら、お肉や魚介類から野菜まで、副菜も数々ならんで豪華絢爛だが、アメリカ人のバーベキューは、たいがいはできあいのハンバーグーやソーセージを焼いて、ハンバーガーやホットドッグにして食べるだけ。持ち寄る副菜も、ポテトサラダやマカロニサラダ、デザートはブラウニーかクッキーといったところだ。
 さて、カナダに住むことにしたアメリカ人は、外見はもちろんだが、なかみもカナダ人に近い気がする。
 アメリカ人が我先に猪突猛進するタイプAなら、カナダ人はおっとり構えた協調志向のタイプB。
 アメリカ人のパーティだと、必ず、場の注目を独占したがるようにひとりで喋りつづける人がいたり、テニスのマッチのように会話のテンポが速くて、すぐ議論になったりするのだが、バーベキューに集まった面々は一様にメローで、なごやかだった。
 集まったのはタートルレイク公園内にあるタートル湖のビーチ。もちろんアメリカの誕生日の集いなど開いているのは私たちのみで、隣のグループは、チェ・ゲバラやキューバーの大きな旗を翻していたのは、カナダらしかった。
 アメリカでは7月4日は独立記念日の祝日で、いたるところで、野外コンサートが開かれ、暮れてからはどこでも花火大会でにぎわう。
 なかでも最大規模として知られているのはニューヨークのイーストリバーも艀から打ち上げられる花火だ。
 ニューヨークにいたときは川向こうのブルックリンに住む友人たちと一緒に、彼らが住むビルの屋上から7月4日の花火を楽しんだこともあるが、ニューヨークではこうした大イベントの問題は、交通規制と交通渋滞。
 地下鉄は夜になると物騒だから車で、と思えば、渋滞とパーキング探しでたどり着くのに2時間以上かかってしまうから、つい出かけるのがおっくうになる。
 後半はイーストリバーから3ブロックほどで、花火見物には絶好のロケーションに住んでいたのだが、そうなると押し寄せてくる観光客の波に飲み込まれたくないから、外に出ないか、
連休に入る前から、ニューヨークを離れることも多かった。
 大晦日もそうだし、サンクスギビングもそうだが、世界からニューヨークに人が集まる日にはニューヨークにはいない、というのがクールなニューヨーカーの心得で、私たちもそうしていた。
 それでいて、何千マイルも離れてみると、懐かしく、イーストリバーの花火も今年はテレビ中継でみた。
 花火が照らすマンハッタンの摩天楼の夜景は、エンパイヤーステートビルも国旗の3色のブルー・レッド&ホワイトにライティングされ綺麗だが、レゴ細工のようにはかなくもみえた。
 住んでいたときには気づかなかったが、ニューヨーク暮らしだと、いつも目線が高層ビルに行くから、上を向いて歩きがちで、だから肩も凝る。
 巨大ビルの間をちょこまか歩き、高層アパートでタテに重なって暮らしていると、どうしても考え方もせせこましくなってくる。
 花火を見終えた頃には、当初のニューヨークへの郷愁も消え、よくもあんなところに住んでいたものだ、とあらためて思ってしまった。
 

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