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2010年1月10日日曜日

アメリカの年明け

 ポジティブ思考を貫くのはなかなか、容易ではない、とため息をつきたくなるようなニュースがアメリカでは新年から続いている。
 アメリカはデトロイト空港で起きた航空機テロ失敗事件以来、またもパラノイアが悪化した感で、先週末には、ニューヨークへの玄関口、ニューアーク空港で、恋人を見送りに来ていた大学院生が、空港警備員が持ち場を離れたすきに、搭乗者以外立ち入り禁止区域に数歩、足を踏み入れただけで、空港閉鎖、離陸便は6時間遅れという大騒動になった。男はセキュリティチェックを済ませた恋人にもう1回別れのキスをしただけだ。
 写真を見る限り、男は普通の身だしなみで、テロリストにはみえない。が彼は中国人。これが白人のビジネスマン風だったら、同じことになっていたのか・・・
 オバマ大統領の所属党である民主党の大物政治家が、大統領選挙中に口にしていた人種差別発言を綴った暴露本も波紋を呼んでいる。
 まずは現役の上院議長のハリー・リードが、「(オバマ)はライト・スキン(黒人にしては黒くない)だし、ニグロのアクセントがないから(大統領になれるかもしれない)」と内輪で話していた・・というのは実はアメリカ人の多くがそう思っていた本音だが、問題は、大差別用語のニグロという言葉をリードが使っていたこと。
 ベテラン政治家にしては初歩の間違いだが、リードは71歳。世代的に仕方がない、という見方もできる。
 この世代の人たちと話していると、悪気なく、ジャップ、などという言葉も飛び出してくることは私も承知している。
 しかし、リードにもまして、悪質なのは、ビル・クリントンが昨年亡くなったリベラル派の巨頭、エドワード・ケネディ上院議員に対して語ったという言葉。妻のヒラリーの支持表明をケネディから取り付けようとして、オバマ候補のことを「数年前だったら、僕らにコーヒーを給仕していた立場の男ですよ」と言ったそうなのだ。
 これはあきらかにオバマ大統領個人、そして黒人全般を見下げた人種差別発言。政見的には黒人の権利拡大に積極的で、黒人社会から「米国初の黒人大統領」と名誉黒人扱いで支持されてきたクリントンだけに、衝撃は大きい。
 大統領選では壮絶な戦いの末にオバマ候補に敗れたヒラリーは、いまは国務長官としてオバマ大統領とは親密な仲。浮気問題だけでなく、これまでもビルの失言でさんざん迷惑を被ってきたヒラリーの怒り顔が想像できる。
アメリカの白人の人種差別は根強い。

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